経営全般 資産運用

【FP2級】財務と会計①/ライフプランニングと資金計画

引き続き「ライフプランニングと資金計画」です。以下のような項目がありました。
ファイナンシャル・プランニング(FP2級)を学び始めました!

第1回の「キャッシュフロー・マネジメント
第2回の「教育資金計画
第3回の「住宅取得資金計画」
第4回の「カードと消費生活
から引き続きです。

財務と会計については、私の専門でもありますのでテキストよりも詳しく記載したいと思います。(私の頭の整理もかねて)

FP2級 財務と会計の概要

  • 財務会計と管理会計
  • 財務諸表
  • 管理会計
  • 企業価値分析

財務会計と管理会計

財務会計とは事業活動の結果を利害関係者に報告するための会計です。利害関係者に報告する会計に対して、内部で活用するための会計が管理会計といいます。

まず、財務会計ですが、利害関係者に報告するため様式が定められています。それが財務諸表といってその計算の仕方から表現方法まで「会社法」などの法律によって定められています。これは、社外の不特定多数の利害関係者が閲覧する場合に統一されたルールでないと理解できなかったり誤解を与えてしまうためです。

管理会計はというと、会社が独自に利用するためのもので外部に公表する必要はまったくないため、その企業独自に使いやすいようにルールを決めます。ただ、企業運営に利用する方法が一般的にどういったものが使いやすいのかといったことは研究・実践されており、まずはこれらのメソッドに則っとり、さらにその企業独自にアレンジしていくことになります。

企業価値分析

投資やM&Aおよび相続といったときには、企業価値分析を行います。企業の価値は財う諸表のみから図れるものではありません。基本的に財務諸表に記載されている金額は取得原価であり、現時点での価値(時価)ではないからです。また、将来の獲得する利益にも企業価値がありますが、簿価には含まれていません。

保有する資産の時価、将来獲得する利益の現在価値を計算して企業価値を金額で表していきます。

財務会計

それでは、まず財務会計の各種財務書表について解説します。

・貸借対照表
・損益計算書
・株主資本等変動計算書
・キャッシュフロー計算書

財務諸表の作成と開示

財務諸表は複数の種類がありますが、結構こんがらがってしまうのが各規程によって必要とされる財務諸表が異なる点です。

各規程というのが、「会社法」「金融商品取引法」の法律と「証券取引所の定めた書類」の3種類があります。

各規程によって必要とされるものは以下の通りです。

会社法

「計算書類」個人商店合名会社
合資会社
合同会社株式会社
(右の会社以外)
大会社
有報提出会社以外
有報提出会社
貸借対照表(BS)
損益計算書(PL)
株主(社員)資本等計算書(SS)
個別注記表
「計算書類等」で追加される書類
事業報告書
付属明細
(有形・無形固定資産、引当金、販管費)
「連結計算書類」
連結BS/PL/SS/注記表
◎・・・作成し公告する
〇・・・作成する
△・・・特別に定めた場合
☆・・・会計監査人設置会社は作成することができる

大会社とは ・・・ 資本金5億円以上または負債総額200億円以上株式会社のこと。

金融商品取引法(有価証券報告書)

「財務諸表」有価証券報告書の提出義務者
(上場会社以外)
上場会社
貸借対照表(BS)
損益計算書(PL)
株主(社員)資本等計算書(SS)
付属明細
(社債、借入金等、資産除却債務、有形固定資産、引当金、有価証券)
「連結財務諸表」
連結貸借対照表◎※1◎※2
連結損益計算書+包括利益計算書
連結キャッシュフロー計算書◎(四半期では第2のみ可)
連結株主資本等変動計算書
付属明細(社債、借入金等、資産除却債務)
◎※1・・・決算・半期で作成する
◎※2・・・決算・四半期で作成する。特に上場会社は「決算短信」を行う
〇・・・決算で作成する

有価証券報告書提出義務者とは ・・・ 以下のように感動財務局のHPには記載されています。

財務原則として次に掲げる有価証券の発行者は、事業年度ごとに有価証券報告書を提出しなければなりません。
 ・金融商品取引所に上場されている有価証券
 ・店頭登録されている有価証券
 ・募集または売出しにあたり有価証券届出書または発行登録追補書類を提出した有価証券
 ・所有者数が1000人以上の株券(株券を受託有価証券とする有価証券信託受益証券及び株券にかかる権利を表示している預託証券を含む。)または優先出資証券(ただし、資本金5億円未満の会社を除く。)、及び所有者数が500人以上のみなし有価証券(ただし、総出資金額が1億円未満のものを除く。)

証券取引所の有価証券上場規程(決算短信)

決算短信とは証券取引所が上場会社に対して、有価証券報告書の正式提出前に提出を義務付けており、四半期毎に開示する。

「有価証券報告書」が決算等のおよそ2か月と少し後に提出されるが、それに先立ちおよそ一ヶ月前後の早期に提出され、投資家の判断基準とされる。

決算情報の取得

金融商品取引法で提出が義務付けられている「有価証券報告書」金融庁EDINETから情報取得が可能である。

証券取引所の有価証券上場規程で提出が義務付けられている「決算短信」東証TDnetから取得可能である。

その他、(公告)を官報、日刊紙、電子公告(インターネット)のいずれかで行うこととされているが、特に未上場会社の財務諸表を入手することは基本的に困難である。

今回はここまで 続きはまた

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