経営全般 資産運用

【FP2級】財務と会計②/ライフプランニングと資金計画

引き続き「ライフプランニングと資金計画」です。以下のような項目がありました。
ファイナンシャル・プランニング(FP2級)を学び始めました!

第1回の「キャッシュフロー・マネジメント
第2回の「教育資金計画
第3回の「住宅取得資金計画」
第4回の「カードと消費生活
前回「財務と会計①」から引き続きです。

前回は財務会計の財務諸表の体系について書きました。今回はそれぞれを簡単に説明します。

FP2級 財務と会計の概要

  • 財務会計と管理会計
  • 財務諸表
  • 管理会計
  • 企業価値分析

財務会計における財務諸表

それでは、まず財務会計の各種財務書表について解説します。

・貸借対照表
・損益計算書
・株主資本等変動計算書
・キャッシュフロー計算書

財務諸表名解説
貸借対照表(BS)ある時点の財政状態を表す。資産、負債、資本から構成される。
損益計算書(PL)一定期間の活動結果を表す。売上、売上原価、販売費一般管理費や利益か構成される。
株主(社員)資本等計算書(SS)一定期間の資本の移動状態を表す。
個別注記表重要な会計方針に係る事項を記載する。有価証券評価、棚卸資産評価、減価償却、引当金等。
キャッシュフロー計算書(CF)一定期間のキャッシュの獲得状況を表す。営業活動、投資活動、財務活動から構成される。

管理会計

管理会計とは、将来に向けて企業の健全運営のため、企業内部で活用するための会計です。

財務会計と違いルールは特にありません。会社が独自に利用するためのもので外部に公表する必要はまったくないため、その企業独自に使いやすいようにルールを決めます。

ただ、企業運営に利用する方法が一般的にどういったものが使いやすいのかといったことは研究・実践されており、まずはこれらのメソッドに則っとり、さらにその企業独自にアレンジしていくことになります。

主な管理会計で利用する会計の例
・経営分析
・直接原価計算
・損益分岐点分析
・カテゴリ別損益計算
・予算実績比較

経営分析

財務会計で作成した損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書を分析して、現在の経営状態を把握します。

主な分析内容には、以下のようなものがあります。

「収益性の分析」・・・主に損益計算書を分析して売上に対するコストの割合や利益の出方を分析する。
「効率性の分析」・・・商品や売掛金、固定資産の売上に対する割合を計算して、それらの効率を分析する。
「生産性の分析」・・・一人当たりの売上や一人当たりの加工高(売上ー材料ー外注加工)や付加価値を分析する。
「安全性の分析」・・・主に貸借対照表を分析して、短期資金、長期資金、借入と資本の割合など財政状態を分析する。

直接原価計算

直接原価計算では、費用を変動固定に分けて計算します。これは費用の発生状況が大きく「変動費」といって売上に比例するものと、「固定費」といって売上に関係なく固定的に発生するものに分けられ、「変動」「固定」に分けて損益計算することで今後の損益予測や目標の設定が可能となるためです。

直接原価計算により作成される損益計算書を「変動損益計算書」といいます。

「変動費」の主な科目には、材料費、外注加工費、アルバイト代、運賃などがあり、「固定費」の主な科目は正社員の労務費、給料、経費があります。

通常の損益計算書の構成
 売上高
 売上原価
  売上総利益
 販売費及び一般管理費
  営業利益

変動損益計算書の構成
 売上高
 変動費
  変動売上原価
  変動販売費及び一般管理費
    限界利益
 固定費
  固定売上原価
  固定販売費及び一般管理費
    営業利益

損益分岐点分析

損益分岐点分析では、上記の変動損益計算より黒字と赤字の境界の売上高を分析し最低必要な売上高を把握したり、目標とする売上高を計算し目標設定をします。

分析例1)損益分岐点売上高 = 固定費/限界利益率        ※限界利益率=限界利益/売上高
分析例2)目標売上高    =(目標利益+固定費)/限界利益率

カテゴリ別損益計算

カテゴリ別では「部門別」「商品別」「店舗別」「事業別」「地域別」「個人別」などの様々な切り口から損益を分析して、業績のよいカテゴリはお手本に、業績の悪いカテゴリは廃止や改善を検討していきます。

カテゴリ別の損益計算でも基本的には直接原価計算の方が管理分析が容易です。カテゴリ別の分析では以下のようになります。

        カテゴリ1 カテゴリ2 カテゴリ3   全社計
売上高       xxx   xxx   xxx   xxx
変動費       xxx   xxx   xxx   xxx
限界利益      xxx   xxx   xxx   xxx
個別固定費     xxx   xxx   xxx   xxx
貢献利益      xxx   xxx   xxx   xxx
共通費                         xxx
営業利益                        xxx

売上高に対する限界利益の割合「限界利益率」が高いカテゴリへ資源を集中すると効率よく利益を増やすことができます。但し、リスク分散として他のカテゴリへの投資も考える必要があります。

「貢献利益」がマイナスの場合は、カテゴリ自体の廃止や転換、改善を検討していく必要があります。

「限界利益」がマイナスの場合は、改善できるのであれば改善しますが、直ちに廃止を検討する必要があります。

カテゴリ別損益計算での共通費の配賦について

上記例では「共通費」を各カテゴリに配賦していませんが、一般的な教科書では共通費の各カテゴリへの配賦が載っています。
その中には「売上高」「作業時間」などの配賦基準が設定されていますが、これを厳密・厳格に実施しようとすると論理的に正しいのかどうか疑問が湧いてくることが度々あります。

個別の科目については、合理的に配賦できるのであれば配賦し、そうでなければ特に配賦する必要がないのではないかと思います。

従って、その企業にとって大きな割合を占める基準を決めて、その配賦基準に従って「ざっくり」と配賦すればよいのではないかと思います。

予算実績比較

予算実績比較はその名の通り、予算と実績を比較します。

例えば月別の目標予算をたてて、実際の活動結果を照れし合わせることで改善へと繋げていきます。いわゆるPDCAというやつを実施することになります。

予算と実績を比較する期間もいろいろ考えられますが、一年毎の比較ではフィードバックが遅すぎるので、できれば月毎に、そうでなくとも4半期毎に予算と実績を比較するのがよいのではないかと思います。

今回はここまで 続きの「企業価値分析」は次回

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