管理会計で経営改善|第5回(補足):売上基準・人数基準・稼働基準とは何か(スケール統一の基本)
長野県松本市の中小企業診断士が、“黄金の指標(ユニットバリュー分析)”で、未来の経営をつくる管理会計をお届けしています。
第5回(補足):売上基準・人数基準・稼働基準とは何か(スケール統一の基本)
前回の記事では、
製品・部門の強弱は「貢献利益 × 回収 × スケール統一」で見える
という話をしました。
今回は、その中でも特に重要な
3つのスケール基準(売上・人数・稼働)
について、基本的な考え方を整理します。
これらの指標は、
従来の管理会計では見えなかった“特徴の違い”を明確にし、
改善の方向性を自然に示してくれる強力なツールです。
✅ 1. 売上基準:営業力の強さを示す基準
売上基準とは、
貢献利益に対してどれだけ売上を生み出しているか
を示す指標です。
- 営業力が強い製品・部門は売上係数が高くなる
- 価格競争に巻き込まれている製品は低くなる
- 市場でのポジションの強弱が見える
つまり、
「市場での強さ」を測る指標 と言えます。
✅ 2. 人数基準:労働集約度を示す基準
人数基準とは、
貢献利益に対してどれだけ人手を使っているか
を示す指標です。
- 人数係数が高い → 労働集約型
- 人数係数が低い → 自動化・効率化が進んでいる
この指標を見ると、
「人に依存しているのか、仕組みに依存しているのか」
が一目で分かります。
改善の方向性も自然に見えてきます。
✅ 3. 稼働基準:設備負荷を示す基準
稼働基準とは、
貢献利益に対してどれだけ設備を使っているか
を示す指標です。
- 稼働係数が高い → 設備負荷が大きい
- 稼働係数が低い → 設備に余裕がある
つまり、
「設備がボトルネックになっているかどうか」
を判断するための指標です。
設備投資の判断にも直結します。
✅ 4. なぜこれらの基準が重要なのか?
理由はシンプルです。
✅ 貢献利益を土台にしているから、規模の違いに左右されない
売上や利益では、規模が違うと比較できません。
しかし、貢献利益を基準にした指標は、
どんな製品・部門でも公平に比較できる のです。
✅ 強弱ではなく“特徴”が見える
従来の管理会計は「強い・弱い」で判断しがちですが、
専用基準は
- 営業力
- 労働集約度
- 設備負荷
といった 特徴の違い を明確にします。
✅ 改善の方向性が自然に決まる
例えば:
- 売上基準での価値が低い → 市場戦略の見直し
- 人数基準での価値が低い → 標準化・自動化
- 稼働基準での価値が低い → 設備投資・工程改善
このように、
数字が改善の方向性を教えてくれる のです。
✅ 5. スケール統一は“貢献利益の世界”だからこそ成立する
これらの基準による単位当たり価値(ユニットバリュー)は、
売上や利益を比較しても成立しません。
なぜなら、
売上も利益も異なる計算・算定を含んだ“結果”であり、
売上は原価率による違いやありあ、利益は配賦の影響を受けているからです。
貢献利益は
価値を生み出した量そのもの
だからこそ、
どんな比較にも使える“普遍的な基準”になります。
✅ まとめ:スケール統一は“強弱ではなく特徴”を見抜くための道具
- 売上基準 → 市場での強さ
- 人数基準 → 労働集約度
- 稼働基準 → 設備負荷
これらは、
製品・部門の特徴を公平に比較するための指標 です。
貢献利益を土台にすることで、
規模の違いに左右されず、
改善の方向性が自然に見えるようになります。
✅ 次回予告
第6回:製品別利益が信用できない理由
ここからは、
従来の管理会計が抱える“課題編”に戻り、
なぜ製品別利益が経営判断を誤らせるのかを解説します。
